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キャンプブームで続々と参入!アウトドア系プライベート(PB)ブランド一覧!
近年のアウトドアブームの影響から、様々なアウトドアブランドが誕生しています。個人のデザイナーが立ち上げたガレージブランドや、ホームセンター由来のオリジナルブランド、全くの異業種からの参入など、乱立している状態で分かりにくい人も多いでしょう。
今回は元々アウトドアの関連業種であった店舗、業者、ECサイトを中心に、アウトドア系プライベートブランド(PB)を紹介していきます。
プライベート(PB)ブランドとは?
プライベートブランド(PB)とは、メーカーではなく小売業者が企画・開発を行い、生産のみ他社に外注して直接消費者へ販売する商品、又は営業戦略を指します。近年のキャンプブームの影響もあり、様々な業態のアウトドア関連の販売店が続々とオリジナルブランドを立ち上げています。
プライベート(PB)ブランドのメリット
製造原価の計算は非常に複雑なのでここでの説明は割愛しますが、原材料費以外にも広告宣伝費用や輸送費など様々な面で経費が発生しています。こういった開発コストを回収するための販売価格(上代)の決定権は基本的にメーカー側にあります。
又、メーカーが卸す際には最低金額や発注ロットといった制限が必ずあるので、小売店は必要数より過剰な在庫を余儀なくされたり、自由な仕入れがしづらくなります。
プライベートブランド(PB)だと自社で必要数だけ生産をかけられますし、自由に価格設定も可能なので、従来よりも高い利益率を確保する事が出来ます。一般的にはメーカーの製品と比較すると販売価格が安くなる事がほとんどなので、品質さえ問題なければ消費者にも支持されやすいです。
小売店は最も消費者に近く顧客ニーズを一番理解しているので、意見を取り入れやすく既存製品に改良を加えたり、市場にない全く新しい製品を開発出来たりと様々なメリットがあります。
プライベート(PB)ブランドのデメリット
逆に従来であればメーカー側が対応していた商品の不具合に関する返品や、クレームなどのサポートも自社で行わなければいけなくなります。コールセンターのようなサポート窓口の開設や、不具合商品の回収リスクなどは自社で対応が必要になります。
アウトドア業界がPBブランドに続々と参入する理由
小売店の粗利益が安い
メーカー側として様々な開発コストから売価が高くなるのはもちろん理解していますが、小売店立場で見た時に粗利益率がかなり低いんですよね。仕入れ価格からさらに店舗運営に必要な人件費、光熱費を引いて残った利益が粗利益な訳です。
もし売れ残ってしまうとセール価格にしてでも在庫を消化しないといけないので、さらに利益は減ってしまいます。粗利益を出来るだけ確保しようとすると必然的に仕入れ値を安くするという思考になります。
製造メーカーや問屋・卸売業者の言い値はぶっちゃけると不透明な部分も多いので、自由に価格設定が出来て、利益をコントロールしやすいプライベートブランド(PB)という選択になる訳ですね。
企画・開発コストまで下げれる
プライベートブランド(PB)の大きな問題の一つでもあるのですが、少しデザインを変えただけでオリジナルを主張する模倣品、いわゆるパクリ製品が横行しています。
これは企画・開発にかけるコストまで削ってしまう、一線を超えたブランドも多く存在してしまっているからです。高額なCADソフトなどの設備投資や、デザイナーなどの人件費、外注費用なども模倣してしまえばいらない訳です。
さらに粗悪でも安価な原材料にしてしまえば、材料費も安くしてしまえるので価格面では優位になります。薄利多売戦略で行くのならさらに売価は引き下げれるので、コスパ重視の消費者は見た目が同じなら価格が安い方に流れてしまいます。
オススメのPBアウトドアギアの選び方
スペックや材質をチェック
基本的には完全な模倣でなくても現在市場にあるトレンド製品を意識した類似品がほとんどなので、使われている素材や材質、スペックなどをしっかりとチェックする事が大事です。
テントであればアルミ→グラスファイバーが使われていたり、焚き火台であればチタン→ステンレスだったりと安価な素材が使われている事が多いです。同じ素材でも良し悪しはあるので安易に判断は難しい場合もありますが、十分参考になるでしょう。
好きなブランドを見つけよう
プライベートブランド(PB)=パクリというイメージがある方もいると思いますが、そう単純に言い切れない良い製品がたくさんあります。ものづくりへの姿勢、ブランドのイメージカラー、価格等どんな要素でも良いので、お気に入りのブランドを探してみましょう。
個人的にはメーカーやブランドに拘らず柔軟に良いなと思う製品を購入するようにしています。一番勿体無いなと思うのは盲信的に一つにブランドに拘ったり、逆にブランドに対する偏見によって良い製品を選べないことです。
スノーピークは高い、モンベルはダサい、アウトドアやキャンプ好きの間ではきっとこれまで何度も耳にしたでしょう。高くても一生使えればそれは十分に価格に見合った価値があるでしょうし、存在する全ての製品がダサいなんて冷静に考えればあり得ないでしょう。
大事なのはあなたが良いと感じるか、ただそれだけです。
これから元々の業種別にアウトドアのプライベートブランド(PB)を紹介していきます。代表的な製品や、個人的に気になる製品なども併せて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください
アウトドアショップ発ブランド
SABBATICAL(サバティカル)《WILD-1》
出典:SABBATICAL
世界中の数多くの名だたるアウトドアブランドの正規代理店を務める、エイアンドエフが2019年よりスタートした新ブランドがSABBATICAL(サバティカル)です。
ゼインアーツ小杉 敬氏をプロダクトデザイナーに迎え入れ、スカイパイロットTCやギリアなど美しいデザインのシェルターの数々はリリース直後から大きな注目を集めました。
出典:SABBATICAL
又、2021年にはNANGAとのコラボレーションモデルのシュラフを発表。NANGAは寝袋国内三大メーカーとも言われるほど信頼性が高く、別注モデルは非常にコスパが良いことで有名です。トレンドを意識したカラーリングもオシャレで今後最も目が離せないブランドの一つです。
tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)《WILD-1》
tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)は株式会社カンセキが運営しているアウトドアショップ、WILD-1のオリジナルブランドです。「今のニーズを具現化するもの」「これからのニーズを生み出すもの」の二つをブランドコンセプトに掲げています。
よくありがちな他メーカーの人気商品を単純に模倣するような製品はほとんどなく、かなり気合いの入った商品開発をしている印象です。ワンポールテントのサーカスTCなど、数多くの名作を生み出しました。
ムササビウイングのような復刻アイテムや、他ブランドや著名人とのコラボアイテムなど、自社開発だけに囚われない柔軟な姿勢がとても好印象なブランドです。
Qualz(クオルツ)《WILD-1》
出典:QUALZ
Qualz(クオルツ)も同様にWILD-1のオリジナルブランドです。現状市場にあるシンプルデザインのアウトドアギアの廉価版といった商品が多い印象です。特にコットは良心的な価格でラインアップも豊富なので、ヘリノックスのコットが高く感じる方にはオススメです。
リクライニング可能なリーンチェアはとても良い製品だと思いますし、個人的には高額になりがちなステンレス製の火消し壺がとても安く、シンプルなデザインで扱いやすそうなので気になってます。
BAILESS(バイレス)《好日山荘》
出典:gsmall
BAILESS(バイレス)は登山・クライミング用品を中心に扱っている、好日山荘(こうじつさんそう)のオリジナルブランドです。レインウェアやダウンジャケットなどのウェア類が大半で、クライミングやキャンプ系のギアはほぼありません。
登山用品の老舗なだけにある程度の品質は保証されていると思いますが、展開しているラインアップが国内最大手のmont-bellとガッツリと競合しているので厳しい印象なのは否めません。
IGNIO(イグニオ)《アルペン》
出典:アルペン
IGNIO(イグニオ)はスキー用品の取り扱いで有名なアルペングループのオリジナルブランドです。元々スポーツ用品を幅広く取り扱うブランドでしたが、近年はキャンプ用品もどんどん追加されています。
自社開発に力を入れている印象はあまりなく、他メーカーの売れ筋を模倣する、いわゆるジェネリックキャンプ用品のブランドです。最近全国に急拡大しているアルペンアウトドアーズで仕入れ・販売しているので、各メーカーのトレンド商品の把握はしっかりしているのはかなりの強みでしょう。
DODのカマボコテントやスノーピークのエントリーパックTTなど、人気ブランドのコスパが良い商品のデザインを模倣したテントはかなり流行を意識しています。細かいスペックは気にしない価格重視の方には選択肢に入ると思います。
スポーツ量販店発ブランド
WHOLE EARTH(ホールアース)《ゼビオ》
WHOLE EARTH(ホールアース)は株式会社フラッグというスポーツ用品メーカーのアウトドアブランドです。
元々デサントという会社で取り扱いっていたようですが、2011年に終了。現在はL-Breathやスーパースポーツゼビオで主に取り扱いがある為、ゼビオグループのプライベートブランドとして紹介します。
初期はブランドカラーでもある爽やかな青色×ナチュラルカラーのテントを多く販売していました。近年ではもっとトーン下げたアースカラーが増えてきて、キャンプギアも多く販売されるようになっています。
コスパ重視であまりスペックが良くないイメージがあったんですが、よくよく見ると他メーカーより高品質な素材を使っているものもあり意外と侮れません。
スノーピーク焚き火台によく似た製品を発売していますが、火床にメッシュ構造を追加するなどのオリジナルに改良を加えてきたりと、炭床やベースプレートを付属してきたりと、ただの廉価ブランドではないという印象です。
VISIONPEAKS(ビジョンピークス)《ヒマラヤ》
出典:ヒマラヤ
VISIONPEAKS(ビジョンピークス)はスポーツ用品全般を取り扱うヒマラヤグループが立ち上げたキャンプ用品中心のアウトドアブランドです。機能・デザインだけでなく価格面の追求をブランドコンセプトに掲げているだけあって、非常にコスパに優れる製品が多いです。
特にテントに関してはかなり注目しています。ソロ用のツーリングドーム クロウや、3人用のTCルーテントは1万円台という低価格と落ち着いたアースカラーでかなり人気が高いです。カンガルー用のインナーテントを探している方にも勧めやすいです。
TCバタフライシェルターなど大型幕もかなり人気が高く、生地やポールのスペックに細かいこだわりがなければ選択肢に入ってくるでしょう。
Alpine DESIGN(アルパインデザイン)《スポーツオーソリティ》
出典:スポーツオーソリティ
Alpine DESIGN(アルパインデザイン)はかつて米国最大級だったスポーツ用品店、スポーツオーソリティのアウトドアブランドです。経営破綻により民事再生法を適応し、現在ではメガスポーツというイオンの100%子会社が運営しています。
ファニチャーはほとんどがコヨーテカラーで統一されており、シンプルで低価格なプロダクトが魅力的です。特にポップアップメッシュシェルターは夏場のコット泊に相性抜群の蚊帳で、大きく嵩張る事さえ気にしなければ他メーカーを圧倒するコスパです。
TARAS BOULBA(タラスブルバ)《スポーツオーソリティ》
出典:PR TIMES
TARAS BOULBA(タラスブルバ)はかつてはアシックスが40年以上運営していた日本発の老舗ブランドで、現在はスポーツオーソリティが継承しています。
TBアッセンブルウッドチェアカーキは天然木のホワイトアッシュや、生地には高強度なコーデュラナイロンを使っています。TBクーラーBOXはカップホルダーやバスケットが付属していて、外部にはボトルオープナー付きです。
基本的には目新しい製品はないんですけど、細かく見ていくと実はいい材質を使っていたり、+αを付け加えていたりと色々と創意工夫は感じます。
テントも一通りラインアップしていて、落ち着いたアースカラーはトレンドも意識していて価格帯もこなれています。ワンサイドフォークアレンジシェルター カーキはツーポールシェルター風ですが、片側が二股ポールになっている面白い幕です。
QUECHUA(ケシュア)《デカトロン》
QUECHUA(ケシュア)はフランス発の世界最大級のスポーツ用品メーカーデカトロンの、登山・キャンプ用品を中心に展開するアウトドアブランドです。デカトロンは世界中で1,500店舗以上を運営していて、近年日本にも初上陸し認知度が高まっていると思います。
ケシュアの代名詞とも言えるワンタッチテント2 SECONDS EASY FRESH&BLACKは二人用ですが、わずか数秒で設営が可能です。アルミ折りたたみテーブルは開くだけで脚部の組み立ては不要な簡単設営が出来て、手持ちのチェアに合わせて高さ調整が可能です。
全体的に非常にコスパに優れるブランドですが、基本的なものづくりの考え方が国内メーカーと少し毛色が違う印象です。価格面では材質などはかなりローグレードを選択しコストダウンしていて、とにかく初心者向けのワンタッチ仕様が多い印象です。
ECサイト発ブランド
Hilander(ハイランダー)《ナチュラム》
出典:ナチュラム
Hilander(ハイランダー)はアウトドア通販サイト大手のナチュラムが運営しているアウトドアブランドです。こちらも長年の運営経験からかトレンド把握もしっかりしていますし、高額で手が出にくい商品を自社ブランドで安価で販売する戦略を取っています。
ロータスベル社のテントにそっくりなNAGASAWAや、ヘリノックス社を完全に模倣している軽量アルミローコットなど、デザイン丸パクリの廉価版がかなり多いです。カーミットチェアのそっくりなウッドフレームチェアも有名ですよね。
ウッドロールトップテーブルはかなり人気が高く、木製テーブルとしてはかなり安価なので購入しようかずっと迷っています。クーラーボックススタンドも評判が良く、木製ファニチャーが得意なブランドなイメージが強いです。
QUICKCAMP(クイックキャンプ)《eSPORTS》
出典:QUICKCAMP
QUICKCAMP(クイックキャンプ)は通販サイトeSPORTSのアウトドアブランドです。名前にもあるとおり素早く簡単に使用できるようなプロダクトをイメージしていて、主にエントリーユーザー向けの良心的な価格設定の製品が多いです。
T/Cワンポールテントは他メーカーにないグレーやネイビーといった色味で、フルメッシュインナーやグラウンドシートまで付属してきて4万円以下というかなりコスパが良いです。焚火陣幕 焔-HOMURAは、焚き火用のリフレクターの選択肢がそれほど多くないこともあり非常に人気が高いです。
まとめ
アウトドア関連業種発のプライベートブランド(PB)の紹介してみました。お気に入りのギアやブランドは見つかりましたか?個人的には信頼のあるブランドとのコラボや、確かなデザイナーを採用しているサバティカルや、柔軟なものづくりと意欲的なテンマクデザインはブランド丸ごと評価が高いです。
中には模倣しただけのようなものもありますが、良し悪しはそれぞれの面から比較してみることによってより良い道具選びに繋がります。どのメーカーもピンポイントで使ってみたいギアがあるので、これからも新製品も含め注目していきたいと思います。