夏の雲ノ平周回縦走 Day1|雄大なカール地形が広がる薬師岳へ

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北アルプスの最深部に位置し、日本最後の秘境とも呼ばれる雲ノ平。様々な高山植物が咲き乱れ、美しい庭園が広がる姿は『雲上の楽園』と評され、登山が好きなら一度は憧れる場所です。

僕も初めての北アルプス縦走で、水晶岳の眼下に広がる雲ノ平を見て以来、いつかは訪れたいと焦がれ続けた地でもあり、今回ようやくその機会を得ることになりました。

北アルプス3泊4日という長期山行となるので、分割構成でお送りします。初日は富山までに移動と前泊、そして折立〜薬師岳山頂アタックまでのお話です。

目次

今回の登山概要

登山ルート

出典:ヤマプラ

まずは折立にある薬師岳登山口より入山し、周回分岐となる太郎兵衛平へ。その後、太郎平キャンプ場(旧:薬師峠キャンプ場)を拠点に、日本百名山である薬師岳を往復します。

標準コースタイムは10時間10分と、なかなかのロングルート。折立〜太郎兵衛平までの区間は、標高差約1,000mを登り続けます。薬師岳は軽装備アタックできる分、前半がキツい行程です。

水の補給に関してですが、登山口〜太郎平小屋までは水場がありません。折立キャンプ場は煮沸必須なので、できれば事前に買い出ししておくのが楽です。

太郎平キャンプ場は沢水汲み放題なのがありがたい。薬師岳山荘は天水なので、煮沸推奨。飲料水は有料で購入はできるので、特に困ることはないでしょう。

食事は太郎平小屋の名物ラーメンがおすすめです。ただ、折立に前泊で早朝スタートの場合は、通過時点では食堂営業していない可能性があるので要注意。薬師岳山荘の食堂を宿泊者限定なので、道中の食事は太郎平周辺で計画しておきましょう。

山行データ

  • 登山日:2023年8月1日
  • 合計距離:12.97km
  • 最高点の標高:2900m
  • 最低点の標高:1360m
  • 累積標高(上り):1677m
  • 累積標高(下り):731m

コースタイム

  • 06:00 折立
  • 09:30 五光岩ベンチ
  • 11:00 太郎平小屋
  • 11:20 太郎平キャンプ場
  • 13:10 薬師岳山荘
  • 14:10 薬師岳
  • 16:10 太郎平キャンプ場

雲ノ平周回縦走 0日目

まずは登山口となる折立へ向けての移動日。本来なら仕事終わりに高速かっとばして、登山口駐車場にて仮眠→登山という流れが、社会人にとってはよくあるパターンだと思います。

ただ、折立へと続く有峰林道は、通行可能な時間帯が限られていることから、前日は余裕を持って到着しておいて、翌朝早めにスタートする計画です。

そんなわけで急ぐ理由もないので、ゆっくりと下道ドライブ。今回は途中で小屋泊もするので、行きは高速は使わずできるだけ節約します。(登山は移動費用がバカにならない…)昼過ぎには富山に到着しました。

まずは最寄りの道の駅にて、職場や家族へのお土産を購入しました。下山後は時間の余裕がないので、先に用事は済ませておきます。

そして、続いては腹ごしらえです。せっかく遠方に来たので、美味しいもの食べたいですし。

富山のご当地グルメといえば、白えび・寒ぶりなど海鮮が有名。他には鱒寿司、富山ブラック(ラーメン)、氷見のうどんあたりかな。

糸庄 味噌煮込みうどん

ただ登山前なのでがっつりスタミナ系食べたい。悩んだ末に、味噌煮込みうどんで有名な『糸庄』へ。

もつ煮込みうどん 1,000円

一番人気メニュー、もつ煮込みうどんを注文。

一人前ずつ土鍋で熱々を提供してくれます。底には氷見うどんが敷き詰められ、もつ煮・海老天・えのき・カマボコ・ネギと、見渡す限りの具材で埋め尽くされています。

豚もつは一切の臭みはなく、噛むほどに旨味がにじみ出てきます。ピリ辛の味噌ベースの出汁は、濃厚さも兼ね備えつつも、すっきりとした喉越しです。

昼時のサラリーマンのほとんどは、この上に卵をトッピングしているようでした。なぜ券売機のメニューをよく確認しなかったのか…

隣の席に座ったおっちゃんは白ごはんに、もつ煮をバウンドさせていました。おじやのように混ぜて食べている人もいて、白ごはんとの相性も抜群でした。ごちそうさまでした。

本当ならこの後は日本の滝百選『称名滝』でも観光しようかと考えていましたが、何だか雲行きが怪しいので今回はパスすることに。これから4日間山に入るので、最後に身体を清めておきます。

亀谷温泉「白樺の湯」

亀谷かめがい温泉『白樺の湯』は、富山県随一との呼び声も高い温泉です。折立へと向かう有峰林道の入り口近くにあるので、薬師岳登山者に人気の場所です。

元々は白樺ハイツという宿泊施設でしたが、周囲のホテルとともに廃業。現在は地元の有志の方々によって、入浴施設のみ再開されてます。毎週火・水・木曜日は定休日なので要注意。

折立キャンプ場で前泊

なんだかんだ時刻は15時過ぎなので、そろそろ折立へと向かいます。ここから先は有峰林道という有料道路を通過することになります。

この有峰林道の厄介なところが、6時〜20時の間しか通行できません。つまり登山当日に通過する場合は、6時になるまでゲート前で待機させられることになります。

そこから林道通過後、登山開始できるのは早くても7時〜となるので、当日中に薬師岳のピークを踏みたい場合、地味にこの制約が若干怠いだるです。

夏のアルプスは午後から雲が上がってきやすいので、早朝から登山を開始したい場合は、前日20時までにゲートを通過し、折立キャンプ場にて前泊がベターですね。

ちなみに通行料金は、2,000円となかなかの価格設定。単純な通行料金と考えると高く感じますが、4日分の駐車料金と考えるとなんだか割安に感じる不思議。

関西から北アルプス圏へ遠征登山に行くと、一度の山行で平気で2〜3万は吹き飛んでいきますしね。改めて登山ってブルジョワ趣味だなぁと震えます。

有峰林道を40分ほど走ると、折立キャンプ場に到着です。

周辺の駐車スペースはほぼ満車で、平日とは思えないほどの混みっぷり。車の台数の多さと比較して、人気の少なさが印象的でした。おそらくほとんどは先行入山者の車でしょう。

テントもちらほら見かけますが、そのほとんどが山岳部のものでした。

キャンプ場にはこんな注意書きも。この山域は熊の目撃情報が多発していて、有峰林道の走行中にも見かけたという人もかなりいるみたいです。

こうして自家用車で登山口まで取り付ける、貴重な拠点です。熊の誘引に繋がりかねない行為は慎み、閉鎖されることがないよう、ルールを守っていきたいですね。

後日、富山県のホームページ確認しましたが、ほんと洒落しゃれにならないぐらい出てます。わずか3日の間だけでも、6件もの熊の目撃情報があったみたいですね。

内、1件は人身被害が発生しており、登山者が怪我をしてます。さらに折立キャンプ場は閉鎖する事態になってますので、ホント気をつけましょう…。

キャンプ道具とかも雑に積みっぱなしで、カオスな車内…。マット広げきれてないし。まあおっさん一人が横になる程度は全く問題ないので、改めてハイエースの偉大さを感じました。

この日、最高気温は35℃の猛暑日でしたが、標高1,350mの折立はとても涼しいです。前泊する上でこの標高の高さも決め手の一つでした。夏の車中泊はとにかく高所避難に限ります。

そんな訳で翌日から縦走に備えて、この日は早めの就寝です。

雲ノ平周回縦走 1日目

そして翌朝。なんだかすっきりしない空模様ですが、晴れ予報を信じて荷物をまとめます。

朝食は『サーモンチーズリゾッタ』をかきこみました。味のついたアルファ米で、お湯を注いで3分で食べられるので、朝早く行動したい時におすすめです。

今回の縦走では極力山小屋で食べるつもりなので、携行食は最低限に抑えてます。基本的には簡易調理で済ますので、湯沸かし目的で『ジェットボイル FLASH 』がメイン火器です。

まず周回分岐となる太郎平へ

それでは3泊4日、縦走登山の開始です。

スタート時刻は5:30と、予定より遅れ気味。ちょっと寝坊しました。当日に有峰林道通過するよりかは全然早いですけど、薬師岳ピークを目指すならもう少し早く出発したかったですね。

まずは登山口からは今回の山行全体の分岐点となる、太郎兵衛平を目指します。

登山口すぐには自動販売機が設置されています。500mlペットボトルが300円なので、「こんな値段で誰が買うんだ?」とかこの時点では思ってます。

序盤からなかなかの傾斜。太郎兵衛平までは標高1,000mUPなので、ひたすら登り続けます。

折立キャンプ場がもうあんなに小さく。どんどん標高を稼ぎます。

標高500mほどUPした地点で少し視界が拓けますが、薬師岳方面には分厚い雲がかかってました。

ここにはベンチが設置されているので、ザックを下ろして小休憩を取ります。ひさしぶりに縦走ザック背負ってるので、ぶっちゃけもう身体キツい…。

ここからしばらくはガレてて、歩きにくかったです。

しばらくすると木道が徐々に現れて、階段メインの区間へ。歩く先の展望がないので、ここも地味にキツく感じました。

五光岩ベンチへ到着。この地点で標高2,000mを越え、雲がだいぶ近く感じます。

太郎兵衛平へ続くなだらかな登山道。視界が拓けて、足取りも自然と軽くなります。

そして太郎兵衛平へ到着。ここは東に薬師沢経由で雲ノ平、南に黒部五郎岳方面、北に薬師岳方面へと続き、それぞれの登山道がある十字路となっています。

”たろうべえ”という名前の由来ですが、江戸時代に有峰の鉱山が栄えた頃、太郎兵衛という者がここで高山植物の化身の美女にたぶらかされた、という伝承に由来しているそうです。

太郎平小屋といえば、ラーメンが有名ですよね。できればここで食べたかったんだけど、食堂OPENが11時からなので泣く泣く断念。ここで待機も一瞬頭を過りましたが、時間がもったいないので先へ進みます。

太郎平小屋では、忘れずにキャンプ場の受付をしておきます。2023年は世界的な物価上昇・燃料費高騰で、値上がりした場所が多かったので、一人1,000円と据え置き価格なのはありがたい。

特に白馬・五竜エリアの一泊4,000円(一張2,000円/一人2,000円)は、登山界隈に激震が走りましたよね。維持管理に膨大なコストがかかるのはわかりますが、このままだと若者の登山離れが加速しそうです…。

薬師峠を越えてキャンプ場に幕営

太郎平キャンプ場は、薬師峠を越えた先にあります。

太郎平小屋から薬師峠までの間は、雄大な薬師岳の眺望が素晴らしいです。天気は予報通りの快晴で、初日の勝利を確信しながらの確信歩きです(フラグ)

薬師峠から太郎平キャンプ場を眺める。まだ午前中なのもあり、テントの数はまばらですね。夏は日差しがきついので、木陰沿いが人気ですね。

おひとり様空間もいくつかあるので、早めに到着すればプライベート感ある場所への設営も可能です。

僕が設営した場所はこんな感じ。若干斜めになってますが、凹凸がないので快適です。日差しをモロに受けますが、このあと薬師岳アタックなのでさほど影響はないと判断。

今回の縦走で使うテントは、『mont-bell ステラリッジテント2型』です。言わずと知れた山岳テントの定番で、設営の容易さや耐風性の高さなど、バランスの良い幕ですね。

ソロだと空間が広々と使えるのでとても快適です。薬師岳アタック後はゆっくりしたいので、さっさと寝床だけ作っておきます。

マットは『NEMO スイッチバックショート』を使ってます。クローズドセルタイプなので、水濡れに強く気軽にザックへ外付けできるのが好みです。

寝袋は『mont-bell ダウンハガー800 ハーフレングス #3』と、軽量コンパクト性を重視。上半身の中綿がない部分は、薄手のダウンジャケットでカバーしてます。

太郎平キャンプ場ですが、近くに水場・トイレ完備でとても快適です。管理棟では沢水で冷やした飲料販売もありますし、購入品のゴミ処理もしてくれるのが助かりますね。

出発前には晩御飯の支度、『Trangia メスティン TR-210』でお米を浸水しときます。

僕は10年近く旅やキャンプを中心にずっと使っています。登山用のクッカーとして決して軽量ではありませんが、熱伝導率が良いアルミ製角型クッカーは、どこでも扱いやすく出番が多いです。

アルファ米だとどうしても味気なく感じるので、少し時間に余裕ができる夕食では、積極的にご飯炊いていくスタイルです。

軽装備で薬師岳山頂アタック

ここからは縦走ザックはデポって、軽装備にシフトします。

アタックザックは『Black Diamond トレイルブリッツ12』を採用。容量は12Lと控えめですが、レインウェアや水など、最低限の荷物を詰め込むには十分な大きさです。

ショルダーハーネス用のポーチ『PAAGO WORKS SNAP L』に、貴重品と行動食をまとめてます。スマホや補給食など、小物類へのアクセスがめちゃくちゃ便利。

基本的にはトレッキングシューズ履いてますが、薬師岳の往復区間だけはサンダルに履き替えて、さらに足元も身軽にしておきます。

Xero Shoes M’s Z-Trail EV』は、裸足感覚でランニングする為のベアフットサンダルです。登山では正確な足捌きが要求されるので、万人にはおすすめしません。

ただ徐々に慣らしていけば、岩場でも十分歩くことが出来ます。過去に登った『霊仙山』は、石灰岩のガレ場が多い山ですが、このサンダル履いて登ってます。

準備が整ったら、いよいよ薬師岳アタックです。

序盤は大きな岩ゴロゴロとした地帯。沢沿いのルートなので、いくつか徒渉箇所っぽい所もありましたが、足元は大きく濡れることなく通過出来ました。

しばらく進むと樹林帯を抜けて、徐々に視界が拓けてきます。ペンキの⚪︎×でしっかりとルートを示してくれてるので、迷うことなく進めました。

赤い矢印は視線が自然と惹きつけられるので、とても親切でわかりやすいですね。

薬師平へ到着すると、平坦な木道歩きにほっと一息。太郎平手前〜薬師岳までのルートは、木道が頻繁に出てくるイメージが強く残っています。

薬師平を過ぎるとまたガレ場。滑りやすい箇所もあるので、転倒には十分注意してください。

薬師岳山荘へ到着。薬師岳頂上まで1時間ほどの好立地で、少し歩けばすぐに展望の良い稜線歩きが楽しめます。前泊すれば美しい朝焼けが狙えそうです。

ガスが上がってきてるので先を急ぎたいのですが、スタートからずっと補給だけで凌いでるので、さすがにお腹が空きました。ここの食堂でご飯食べたい。

しかし、まさかの宿泊者限定でした…。冒頭のルート解説で既にネタバレしてましたが、ここで食べる気マンマンだったので意気消沈。

どのみち営業時間内ギリギリでしたし、計画の甘さが露呈しちゃってますね。北アルプスは山小屋が豊富が故に、小屋ごとに対応や設備の違いは混同しやすいので、しっかり頭に入れておかないとですね。

それにしても薬師岳の稜線はなだらかで大きいですね。九十九折りのジグザクした登山道を進みます。

しかし、視界の先はどんどん薄暗くなり、徐々に雲が稜線上に迫っています。登りはじめは問題ないだろうと踏んでいましたが、一気に雲行きが怪しくなってきました。

山頂手間である、次薬師へ到着。

ここには避難小屋跡と、慰霊碑である大きなケルンがあります。1963年(昭和38年)に愛知大学の山岳部員13名が遭難死する事故があり、これを悼んで設置されたものだそうです。

昭文社の地図上でも”濃霧時注意”の表示がある場所ですね。

ここから薬師岳山頂は目の鼻の先、展望の良い稜線歩きが待ってるはずでしたが…

時既に遅し、視界の先は真っ白の世界に。勝利の確信歩きとはなんだったのか…華麗なフラグ回収です。

ちょうど次薬師まで上がってきた直後に、大量の雲が流れ込んできました。あまりのタイミングの良さに、逆に清々すがすがしく白目剥きながら笑ってました。ハハハ…。

ピークへと至る直前の稜線が最も好きなだけに、もう少しでもタイムを巻いていれば…。徐々にこみ上げてくる悔しさを噛み締めてます。

薬師岳といえば、この雄大なカール地形が見どころ。長い年月をかけて氷河の侵食・堆積作用によって作られており、日本ではとても珍しい地形だと言われています。

西側は濃霧で何も見えませんでしたが、東側の斜面に広がる中央カールは圧巻の一言。この景色を見れただけでも、ここまで来てよかったと思えました。

薬師岳(標高2,926m)登頂

そして、ようやく薬師岳のピークへ。日本百名山の中でも歩行距離が長い部類で、一番近い登山口とされる折立からでも、コースタイムで8時間以上かかります。

北アルプスで初めて縦走登山した時に、水晶岳の山頂から見た薬師岳は、一際大きな存在感を放っていたのをとてもよく覚えています。

北側にある北薬師岳の姿は、ガスに覆われ拝むことが出来ず。この先に広がる金作谷きんさくだにカールは、薬師岳を語る上では外せない存在です。

少し残念な気持ちもありますが、いつか再訪する時の楽しみに取っておきます。室堂から五色ヶ原を経由して薬師岳を目指す、”ダイヤモンドルート”もいつか歩いてみたい。

山は登れば登るほど、さらに歩きたくなる道が増えていくのが醍醐味です。

山頂付近には、一部雪がまだ残っていました。奥に見える稜線はまさに過去に登った、鷲羽岳・水晶岳など、北アルプスを代表する”裏銀座縦走ルート”の山々が連なります。

写真中央手前にある赤茶色の山肌が特徴的な山は、二百名山の一座である赤牛岳ですね。どこから入山しても距離があり、人があまりいない静かな山のイメージがあります。ここもいつか登ってみたい山の一つです。

しばらくガスが晴れるのを待ってましたが、無理そうなので諦めて下山します。さすがに疲れたので、薬師岳山荘へ立ち寄って少し休憩取りました。

食堂は無理でしたが、売店ではお菓子やジュースは買えます。チップスター+コーラ500mlで、体力ゲージ回復しときました。ちなみにこの組み合わせで900円也。

どの山小屋もジュースと生ビールがほぼ同価格なので、コーラはどうしても割高感が出ちゃいますね。

稜線に覆い被さるような大きな雲。夏のアルプスは遅い時間帯になるほど、落雷が怖い。後半は少しペース上げて、17時前に太郎平キャンプ場へと戻ってきました。

太郎平キャンプ場に到着したら、速攻で晩御飯かましました。たっぷり浸水させておいた米を、固形燃料で自動炊飯し、仕上げに『アマノフーズ とろっと卵の親子煮』をトッピング。

このシリーズはハズレなし、何食べてもマジでうまいです。容器にお湯を注いでかき混ぜるだけなので、登山でもすぐに食べれるのが気に入ってます。

食事を終えたら急に眠くなって、気づいたら1時間ほど昼寝してました。

日本海に沈む美しい夕陽

目覚めてテントの外を見ると、ちょうど日が沈む時間帯でした。既に明日に備えて就寝モードの人たちを横目に、薬師峠を登り返して夕日を見にいきました。

ちょうど夕日が海に沈む直前で、ギリギリ日没に間に合いました。

薬師岳上空の雲は、うっすらと紅く染まっていました。静まり返る木道の上から、夕焼けを僕だけが独り占めする贅沢なひととき。

気温もほどよく風も穏やかで、ここでしばらくぼうっと過ごしていました。気づけば真っ暗になりかけていたので、ヘッドライトの灯りを頼りにキャンプ場へ戻りました。

縦走初日を終えて

こうして縦走初日は終了。強烈な印象が残っている初めての北アルプス縦走の時に、いつか行きたいと願っていた薬師岳へ登れたのは、とても感慨深かったです。

裏銀座の山々を背景にした、中央カールの美しさはとても素晴らしかった。大好きな山域へまた足を踏み入れて長期縦走が実現できたこと、とても嬉しく思いました。

ただ午後から稜線上は雲に覆われてしまい、夏のアルプスの難しさを実感。もう少しコースタイムを巻けるだけの体力が欲しかったです。継続的に登山していなかったツケを感じました。

明日はこの山行の本命である雲ノ平へ向かいますが、実はそれだけではありません。”日本一遠い温泉”と呼ばれる山奥にある秘湯を目指します。

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