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【レビュー】旅人やソロキャンパーの定番 Iwatani カセットガスジュニアコンパクトガスバーナー
国内のガス器具メーカーではおそらくNo.1の知名度と信頼を得る岩谷産業の大人気シングルバーナー、Iwatani ジュニアコンパクトガスバーナー。折り畳み式でコンパクトに収納出来て、価格も安いことから長年多くの旅人に支持され続けた名作です。
入手性の良いカセットガスボンベが使用出来る事から、これからキャンプを始める方や防災用の備えとして考えている方などにもぜひご覧頂きたいです。僕自身日本一周で長期間使った経験があるので、人気の秘密や使用感など細かくお伝えしていきたいと思います。
ジュニアコンパクトガスバーナーの魅力
長年に渡ってAmazonのシングルバーナーランキングでは堂々の一位を獲得し続けています。
レビュー数4,000件以上で★4.6(2021年2月現在)と圧倒的な高評価です。まずはジュニアコンパクトガスバーナーが選ばれ続けている理由を分析したいと思います。
価格が安い
アウトドア用品って結構お値段するものが多いです。一般的には携行性を重視して小型軽量化に設計すると、比例してどんどん価格が高くなるんですけどジュニアコンパクトガスバーナーはとても財布に優しいです。
メーカー希望小売価格は設定されていないので、時期によって値段が変動しますが、だいたい3,000円〜5,000円前後が相場です。
カセットガスが使える
一般家庭で普及しているCB缶(カセットボンベ)が使えます。OD缶(アウトドア缶)は寒冷地でも、気化しやすい種類のガスが混合されていたり、携行性に優れた小さい缶なのが特徴です。ただしコンビニ、スーパーなどで気軽に入手しづらく、価格も高い傾向があります。
コンビニやスーパーがない僻地や離島で長期滞在していた経験があるんですけど、CB缶は小さな個人商店でもほぼ間違いなく取り扱っていたので入手性の高さはとても高いと感じてます。
1世代前のCB-JRB-3を使っていますが、このモデルまでは化粧箱の写真にも使われているイワタニカセットガスジュニア1本付属していました。※現行モデルはカセットガスは別売りなので注意してください。
コンパクトに収納可能
ジュニアコンパクトガスバーナーはソロキャンプやツーリングでとても人気のあるバーナーです。その理由はやはりコンパクトに収納出来るからでしょう。
ゴトクと脚をそれぞれ折り畳むと、幅82mm×奥行68mm×高さ109mmのサイズになります。もっと小型軽量のバーナーは世の中にたくさんありますが、この価格帯でこのサイズまで小さく出来ることに驚きです。
専用ハードケース付きで安心
確かマイナーチェンジ前はオレンジ色の箱でしたが、現行はミリタリーっぽいモスグリーンになってますね。樹脂製の専用ハードケースで折り畳んだジュニアコンパクトガスバーナーがすっぽりと収まります。
クッカーの中に収納する場合に、そのままだと傷つけてしまったり、衝撃が加わると故障のリスクが高まります。長期ツーリングだと携行中のトラブルが意外と多かったりするので、専用のハードケースに入れておくと安心です。
ゴトクが広く地面からの高さも低め
ゴトクを展開すると、比較的大きめの鍋も置くことが出来ます。
実寸で計測するとだいたい17cmぐらいですね。地面からの高さも13cmほどなので、同じ一体型のバーナーでもOD缶タイプよりは安定感があります。
UNIFLAME 山フライパン17cm 深型がちょうどぴったりなサイズ感です。
メーカー公称では18cmまでの鍋が対応可能です。
ジュニアコンパクトガスバーナーの組み立て方
1.脚を広げる
先に一本だけ180℃展開すると次の脚を広げる時に邪魔になってしまうので、写真のように三本ともまずは90℃展開してから次の脚を広げるようにしましょう。
2.ゴトクを広げる
ゴトクの先端を下から掬い上げるように跳ね上げると、根元にある金属パーツの上に乗って回転しないようになってます。これでバーナーの展開は終了。
3.ガス缶の接続
CB缶を横方向から取り付けて時計回りに回して、缶の溝が真上の位置にきたら取り付け完了です。
一番初めは脚の展開辺りでちょっと戸惑うかも知れませんが、数回使えばすぐに慣れると思います。
実際使っていて惜しい所
長期に渡る自転車日本一周の旅で実際に使っていたので、良い所だけでなくいくつか気になった点もありました。
階段状のゴトクは割とフィットしない
普通に使用する分には致命的ではありませんけど、階段状のゴトクは様々な形状の鍋にフィットすると思っていたんですけど、実際はそうでもないです。
特にメスティンとの相性はかなり悪いです。
四方のどこかしらが微妙に浮くのでちょっとした拍子で傾きます。あくまでもOD缶一体型と比較した時には安定感はありますが、低重心のバーナーは他に選択肢がたくさんあるので、それと比較するとちょっと微妙な印象です。
専用ハードケース含むとそんなに軽くない
本体のみの重量が272gとそこそこ軽量です。
しかしジュニアコンパクトガスバーナーの専用ハードケース単体では67gあり、ケース含めると実は340g近くになります。よく比較対象になる新富士バーナーのレギュレーターストーブST-310は、ソフトケース込みだと360gなのでだいぶ近い重量になります。その差は20gほど。
カタログスペックだけで比較すると意外な落とし穴があるので、注意が必要です。
別で何か軽量なソフトケースを用意すると重量は抑えられますが、個人的にはこのハードケースありきな製品なので少しマイナスポイントでした。
手持ちのクッカーにスタッキング出来なかった
意外と落とし穴なのが専用ハードケースの外形寸法って、Iwatani公式サイトに載ってないんですよね。これスタッキングするクッカー選びの時とかに、ちょっと困ると思ったので実際に計測してみました。おそらく幅90mm×奥行75mm×高さ120mmぐらいだと思います。
完全なフラットな形状ではなかったので、基本的には現物合わせ中に入るか確認するようにして下さいね。
ちなみに僕が持ってたメスティン TR-210やUNIFLAME 山フライパン17cm 深型は入るんですけど、蓋が閉まりません。もしハードケース無しでスタッキングしようとしたらメスティンは無理でした。
山フライパンの方はちゃんと収まりますが、何かしらソフトケースに入れないとフッ素樹脂加工がズタボロになるので注意が必要です。
寒冷地では厳しい
低温環境にはすこぶる弱いです。厳冬期の北海道車中泊(外気温−3℃)の時に試しに使ってみましたが、まともに使えなかったです。
気圧が低い高山にも向かないので、登山でも使いたい方は迷わず別の製品を選んだ方がいいです。
自転車旅の時に標高1000m〜2000mクラスの峠道もよく走ってて感じたんですけど、北海道や東北などの寒冷地でなくても、晴秋の朝方や夜はとても冷え込みますし、標高が上がると気温はどんどん下がります。
どこで利用するかによっては十分に性能を発揮出来ない可能性があるので注意が必要です。
着火装置(イグナイター)がすぐ壊れた
これは個体差もあるかも知れませんが、僕のは着火装置がすぐに壊れました。
この製品に限らずバーナーでは一番多い故障箇所なので、シングルバーナーの着火装置は壊れやすいと覚えておきましょう。フリント式(石打ち式)のライターは必ず一緒に携行しましょう。
寒冷地や連続使用の方はこちらがオススメ
SOTO レギュレーターストーブ ST-310
Amazonのシングルバーナー部門でベストセラー1位の座をジュニアコンパクトガスバーナーと争い続けている、新富士バーナー SOTO レギュレーターストーブ ST-310です。
これ実際に使ってますけどものすごくいい製品です。 マイクロレギュレーターという低温環境や連続使用による火力低下(ドロップダウン)の影響を受けにくくなる仕組みを持っています。
SOTO レギュレーターストーブ FUSION ST-330
同じく新富士バーナー SOTO レギュレーターストーブ FUSION ST-330です。
FUSION=融合という意味で、歴代の新富士バーナー製品の良いところを集約して作られたすごく高性能なバーナーです。ST-310同様にマイクロレギュレーター搭載で低温環境に強いです。
そして何より違う点が、分離式バーナーである事です。一体型だとどうしても輻射熱によるガス缶の爆発などのリスクが付いて回りますが、物理的にガス缶とバーナーの距離を取れる分離式はそういった点では安全性が高いです。
もしソロキャンプで鋳鉄製の調理器具(スキレットやダッチオーブン等)を使う予定があれば、迷わずこっちにしましょう。重量も250gとコンパクトジュニアガスバーナーより僅かに軽い点も素晴らしい。
おすすめのオプション品
Iwatani純正品ではありませんが、長年愛されたきた製品ですので色々とオプション品もあります。
遮熱版
バーナーパッド
オススメのクッカー
ソロ用の縦長のポット形状のクッカーとは相性が良く、下に紹介する二つはピッタリ合うことでも有名なクッカーですね。
Snowpeak トレック900
mont-bell アルパインクッカー ディープ11
こんな人にオススメ
これからキャンプやツーリングを始めてみたいという方に、初めてのバーナーとしてオススメ出来ます。
もっとお金を出せば高性能なバーナーはありますが、まずはどんなものなのか使ってみたいというお試しで購入しても後悔しないと思います。
もっと高性能なバーナーが欲しいと思った時に、ジュニアガスバーナーは無駄になりません。キャンプをしていても焚き火調理が不向きな場合にはシングルバーナーが複数台欲しくなる時もありますし、持て余すことになっても災害時の備えの防災グッズとして控えに回すことも出来ます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
実際に使用している製品のレビューって初めてだったので緊張しました。
僕は自転車旅に出かける前に知識がないが故に、道具選びに失敗してとても大変な苦労をしました。アウトドア業界に転職して色々と知識や経験が蓄積されてくると、あの時にこれを知っていればな、という事がたくさんあるんですよね。
少しでも皆さんに共有し、良いアウトドアライフになるようお手伝いしたいなと思ってます。しばらくはバーナーのレビューや選び方などの中心に発信しようと考えていますので、今後ともよろしくお願い致します。