ハイエースにDIYでソーラーパネル取付!見た目スッキリ&ロースタイルを実現!

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ハイエースでのバンライフを向上させる為、ついにソーラーパネルを取り付けました。これによりポータブル電源へ安定した電力供給が可能になり、電子レンジや冷蔵庫などを活用した、より快適な車上生活に一歩近づきました。

ボルト穴や取付金具が目立たないスマートな見た目で、高さ2.1m以下に抑えたロースタイル。ソーラーパネルに合わせた専用設計、専用金具のオーダーメイドなど拘りの特別仕様です。

これまで様々なDIYにチャレンジしてきましたが、今までで最高のクオリティを実現出来ました。そんなこだわりのポイントを余すことなく紹介します。

後半では汎用性のある金具、必要な部材や工具類類の紹介や、配線の引き込みなどもかなり詳しく解説しています。今後ソーラーパネルを設置を検討されている、すべての方に向けてまとめたのでぜひ参考にしてくださいね。

目次

ソーラーパネルについて

RENOGYソーラーパネル175W

ハイエースに今回取り付けるのは、RENOGYのソーラーパネル単結晶175W×2枚です。単結晶シリコンで高い発電効率を誇り、軽量で耐久性に優れたアウトドアにも最適なモデルです。

キャンピングカーや移動車両などを中心に、地方での使用を想定して特別に設計されています。日本中をハイエースで旅をしている私達に共感いただき、RENOGY JAPAN様より製品をご提供頂きました。

ソーラーパネル到着後は動作確認も兼ねて、ポータブル電源に接続してテストをしました。晴天時の発電量は最大250Wをマークし、旅先では太陽光だけでも十分に電力を賄える数値です。

影がかかった時の発電量を比較して、直列接続時の方が大きく発電量が低下する事が分かりました。又、電圧値がパネルの枚数分上昇すると、後々ポータブル電源を選ぶ上で選択肢が狭くなります。

その為、今回のハイエースへのソーラーパネル取付は、並列接続で進めていきます。

ハイエースへの取付で拘ったポイント

ハイエースにソーラーパネルを取付するにあたり、特に拘ったポイントをまとめました。

高さ2,1m以下を維持すること

ハイエース 高さ2,1m立体駐車場

まず一番はじめに意識したのは、とにかく車高を抑えたロースタイルにする事です。元々ルーフキャリアを取り付けする時にも重視していましたが、取付後の高さは極力低くしておいた方が何かと便利です。

バンライフや車中泊を意識した取付するソーラーパネルですが、私たちは日常使いも大事にしています。生活圏内でよく利用する施設の立体駐車場には、気軽に入れるようにしておいた方が良いです。

見た目をスッキリ美しく

ハイエース ソーラーパネル

とにかく取付後の見た目のスマートさ、美しさを意識しました。上からソーラーパネルを眺めた時に、固定用の金具やボルト、配線などがほとんど見えません。

ハイエース ソーラーパネル

横から眺めた時にキャリアのバーと並行して、浮いているような感じにさえ見えます。

取付する専用プレートをワンオフ

ソーラーパネル専用取付金具

このように高さを極力を抑えて、スマートな見た目を実現したのが、この専用設計のステンレスプレートです。今回のハイエースへソーラーパネルを取り付けるにあたって、一番肝となる最も重要なパーツです。

ソーラーパネル専用設計の図面

今回は機械設計のお仕事をされている、Hさんという方に全面協力頂いて製作しています。ソーラパネル取り付けする上で、希望のイメージをお伝えしたところ、その日のうちに図面を起こして頂き、あっという間に仕様が決定。

後日、お知り合いの鉄工所の方に依頼して頂き、レーザーで切り出してパーツ製作をして頂きました。いわゆるワンオフと呼ばれるオーダーメイドで、このためだけに特別製作頂いたものです。

Hさん宅には趣味で構築されたという自作の発電システムがずらり。自宅のベランダには50〜100Wクラスのソーラーパネルが何枚も設置されていて、機械設計だけでなく電気系統にも精通されていらっしゃいます。

本来であれば工具類などは自前で用意しないといけませんが、全て貸し出し頂いています。そのおかげで導入費用を大幅に抑えられていて、専用設計なのでかなり拘った仕様になっています。

パネルを裏面から固定

ソーラーパネル取付金具

専用ステンレスプレートは、このように裏側からパネルを固定する事が出来ます。このおかげ上部から見た時にボルトや金具類が一切露出せず、美しい見た目を実現しています。

ソーラーパネル固定金具

パネル背面の取付加工について写真の通りです。スクエアバーの裏側にはアルミレールがボルト固定されていて、ステンレスプレートとパネル裏側と繋いで固定しています。

ボルトの固定位置は微調整が可能

アルミレール

アルミレールにはTスロットルナットが入れていて、好きな位置にボルト穴をスライド可能です。これによりソーラーパネル側の取付穴の位置に合わせて、プレートの固定位置を変更が出来ます。

ソーラーパネル取付金具

ちょうど協賛頂いたソーラーパネルは、G1→G2へモデルチェンジを予定している時期でした。新旧どちらの仕様で届くか判断が難しかったので、どちらでも対応できるように準備をしていました。

INNOのベースキャリアは挟み込んで固定する構造なので、実はバーと比べるとベース部分が少し出っ張っています。ただステンレスプレートの片側は楕円形の穴加工なので、ボルトの固定位置が微調整できます。

これにより取付位置を変更することで、干渉部分をうまく迂回する事が出来ます。専用設計だとついピッタリの仕様にしてしまいがちですが、こういった不確定要素も織り込み済みです。

そのおかげで当日の取付もかなりスムーズに進みました。

ネジ脱落防止のタップ加工

ソーラーパネル取付金具

さらに専用プレートのソーラーパネル固定側には、ネジ穴のタップ加工済みです。これにより万が一ナットが緩んでしまったとしても、ボルトが簡単には脱落しないようになってます。

富士精密U-NUT

締め付けのナットはU-NUTで固定しています。普通のナットと同じ要領で締め付けていきますが、フリクションリングと呼ばれる特殊バネのおかげで固定力が増しています。

有名なものだとハードロックナットとよく似た構造らしいです。ちなみにロックタイトなどのネジ固定剤を使われる方もいますが、故障での交換やメンテナンスなど、いざという時に時に外れなくなってしまいます。

バー+レール=パネルの厚み

ソーラーパネル厚み

見た目のスマートさの大きな要因のひとつが、パネル側と取付側の厚みが統一されていることです。

RENOGYのソーラーパネルの厚みは35mmですが、INNOのスクエアバーが23mm、アルミレールは12mmとなってます。ちょうどパネル側面に並んだ時に綺麗なツライチとなっていて、抜群の一体感を実現しています。

取付するバーにも拘りの加工

ソーラーパネル取付加工

INNOのスクエアバー自体には、穴あけ加工をしています。

ちなみに加工にはこのポール盤を使ったそうです。個人で所有するのにはちょっとハードルが高い機材ですが、Hさんはの家業が鉄工所なのもあり、設計だけでなく金属加工もお手のものです。

バーの裏側からはフランジロックナットを仕込んでます。INNOのスクエアバーの中の手が届かない範囲も、エフモールと呼ばれる配線用のモールでうまく差し込んで対応されてます。

オートウェルド

ちなみにボルトを緩めた時に、受け側のフランジロックナットが脱落しないように接着しています。オートウェルドは、硬化まで少し時間はかかりますが、溶接並みの固定力のある強力な接着剤です。

このネジ加工やボルト類の選定、固定方法の発想はほんとすごいです。本職の機械設計のおかげで幅広い知識をお持ちで、適材適所で様々な部材をうまく取り入れていらっしゃいました。

このように細部までこだわり尽くした設計で、取付加工を行っています。正直これ一度きりで終わらせるには勿体無いぐらいなので、製品化してしまえばいいのでは?とさえ思ってます。

もし製作希望やタイアップを希望の企業様がいらしたら、ぜひお声かけお願いします。

パネル裏側の配線のまとめ例

パネル裏側の配線のまとめ方についてですが、一般的には結束バンドだけで固定するのが一般的だと思います。私たちの場合は見た目もすっきりとさせたかったので、配線ダクトを活用しました。

並列用コネクタをいかにスマートにまとめるかをかなり試行錯誤しました。一度目の失敗例も含めて配線している様子を残しておきますので、参考にしてみてください。

興和化成 配線ダクトVer.

ソーラーパネル配線

まず一度目は興和化成の配線ダクトでまとめた方法です。ごちゃつきやすいケーブル類をまとめて、蓋ができるので配線をまとめるのにはピッタリのダクトです。

ソーラーパネル配線

元々はこの配線ダクトの中にケーブル、コネクタを全てを収める予定でした。しかし思ったより並列用Y字型コネクタの径が太くて入りきらず、泣く泣くダクト外側に配置してます。

並列用Y字コネクタでまとめた後のケーブルは、途中からダクトの中に引き込んで最低限の露出に抑えました。ダクト自体はソーラーパネルに元々ある穴位置を基準にボルト固定してます。

ソーラーパネル配線

このようにケーブル自体は配線ダクトに収まっているので、ぱっと見はかなりすっきりとしてます。ただ横から見ると配線ダクトが丸見えだったのと、ハイエースのルーフにピッタリ接触していたのが気になりました。

逆に中央部でソーラーパネルを支えてくれてる形になったので、一度はこの形で行こうと決めたのですが、やっぱりもう少し上手くまとめられるんじゃないかとなり、後日やり直すことになりました。

マサル工業 エムケーダクトVer.

ソーラーパネル配線

二度目はマサル工業 エムケーダクトでまとめました。基本的には配線ダクトの中にコネクタとケーブルを収めているので、考え方は一度目と同じです。

並列用Y字型コネクタ

前回からの変更点は、並列用コネクタを少しでも細くなるように別のものに変更しています。

ソーラーパネル配線

まあこれでもプラグ部分がかなり嵩張って、ギリギリ入るかどうかで焦りました…。

ソーラーパネル配線

配線ダクトの中にケーブルを回した後は、最低限露出する部分は耐候性の結束バンドで固定してます。

配線ダクト貼り付け

もう一つの変更点はボルト固定ではなく、強力な両面テープでの固定に変えました。これによりハイエースのルーフ部分と干渉せずに、より見た目がすっきりとします。

事前に数日間水に漬け込んで検証しているので、防水性はかなり高いはずです。ただパネル表面が太陽光を受けてかなり高熱になると思うので、どこまで耐久性があるかは今後継続してみていかないとですね。

ちなみに配線に関してはまだ私もHさんも満足していないので、もしかしたら今後変更するかもしれません。

配線の車内への引き込みについて

ソーラーパネル配線引き込み

次に苦労したのがソーラーパネルの配線を、どこから車内へ引き込むかです。基本的にはリアゲート上部には隙間が空いているので、この部分から引き込むパターンが多いと思います。

それから車内まで引き込むまでの、具体的なルート探しがかなり苦労します。一度目と二度目でケーブルの規格を変更して気づいたんですけど、ケーブルの硬さや太さがシビアでギリギリ通らない場所が多いです。

テールランプ内部を通す方法

ソーラーパネル配線引き込み

まずはリアゲート上部から引き込んだケーブルを、バックモニター類の配線を保護しているチューブに結束バンドで固定。

ソーラーパネル配線引き込み

その後はリアゲートのウェザーストリップ(ゴム部分)の脇を通します。配線をしっかりと固定するために、粘着タイプのケーブルクリップを使っています。

ハイエース配線引き込み

テールランプはネジで二箇所固定されているだけなので、プラスドライバーで簡単に取り外せます。

ハイエース配線引き込み

ちょうどおあつらえ向きにテールランプの上部には、ソーラーケーブルが通せる穴が空いてます。よほど太い規格のケーブルでない限りはここを通せるはずです。

ただし、テールランプのボディとの接触部分は、ケーブルを通すだけの隙間も一切ありません。無加工だと無理なので、テールランプ裏側に切り欠け加工が必須となります。

それとMC4端子をあらかじめ取り付けしているとテールランプ上部の隙間からケーブルが通せないので、必ず配線して車内へ引き込みができてからMC4端子を作りましょう。

リアゲート上部から直接通す方法

ソーラーパネル配線引き込み

ボディ、パーツに無加工でどうしても配線したかったので、最終的にリアゲート上部からそのまま直接車内へ引き込むパターンに落ち着きました。

意外と気付きにくいポイントなんですけど、リアゲート閉じても案外普通に閉まります。多少ケーブルが挟み込まれますが、断線するほど過度な負荷はかかっていないと判断してます。

この配線ルートのメリットは、MC4端子が両側加工のケーブルでも問題ない事です。MC4端子を作るのに、専用の圧着工具など用意する必要がないので、初心者の方にもオススメです。

必要な部材&工具類を紹介

ソーラーパネルを取り付ける際に、必要になる部材と工具類を紹介します。実際に利用したものや一般的に必要になるもの、あると便利なものなど、幅広い方におすすめできるものをまとめています。

ベースキャリア&バー

まずはソーラーパネルを支える役目のベースキャリアです。今回取り付けたパネルは枠付きタイプですが、薄型のフレキシブルタイプだと、直接屋根に貼り付けるのでキャリアは不要になります。

ハイエースの標準ボディ/標準ルーフだと最も低く抑えられるベースキャリアです。バーを取り付け後の高さを2,1m以下に抑えたい方にはおすすめのタイプです。

ベースキャリアで挟み込むスクエアバーで、アルミフレームを固定するためにタップ加工したやつです。私たちの場合はカヤックを乗せる時に少し長めの方が都合がいいので、165cmタイプを選んでいます。

一般的には147cmタイプでベースキャリアの間隔は足りるので、用途に応じてどちらかの長さを選んでください。THULE(スーリー)やTERZO(テルッツォ)など、他メーカーでも適合できるものはあると思います。

もし他ブランドで探す場合に、メーカーの車両適合確認表を事前にしっかりと下調べしてから選ぶようにしましょう。

取付金具の代替案

バーへの取付が専用金具だけだとちょっと不親切なので、別の金具を使う代替案も紹介しておきます。ハイエースへルーフキャリアと組み合わせて取り付けする場合に、活用されるのが多いのがこの2×4サポート金具です。

スクエアバーにドリルで穴あけ加工して、上からボルト固定します。パネル側にもボルト穴を加工が必要になると思いますが、今回の取付と同じように裏側から支える形を取ることが出来ます。

パネルの厚みと金具の接触面が同じ35mmなので見た目もかなりスッキリします。

ケーブル、コネクタ類

ソーラーパネルを車内へ引き込む際に必要になる、延長ケーブルです。今回取付した位置なら大体3mほどあれば長さは足りますが、5、6mほどで販売されていることが多いです。

大体どのメーカーのものでも問題はないので、レビュー評価が良いのを紹介しておきます。直列・並列接続どちらかで必要なケーブル太さが変わりますが、3.5〜4SQぐらいあれば十分だと思います。

ちなみにほとんどが片側はMC4端子加工されていないので、後ほど紹介する工具セットが必要になります。

並列接続する際にケーブルまとめる、Y字型のコネクタです。直列接続で配線する場合には不要になります。ただコネクタ自体かなり安いので、直列・並列試す意味でも用意してもいいと思います。

過電流が流れた際に保護してくれる、ヒューズもあると安心です。直列・並列どちらかによっては、必要なアンペア数が異なるので、どれが最適か選ぶのにちょっとした知識が必要になります。

今回の並列接続では流れる電圧は変わりませんが、電流値が倍になります。175Wソーラーパネル1枚の公称出力動作電流は9.75Aで、2枚並列時の合計電流値は19.5Aという計算です。

ソーラーパネルヒューズ

本来であれば最大値に安全係数をかけて、少し余裕を持ったヒューズ選択が必要です。ただ実際に流れる電流値は公称よりかなり少ないので、20Aのヒューズで十分だという判断に至りました。

ちなみにヒューズ交換が必要になった際に簡単なように、車内に取り付けしています。

電流値計測テスター

ちなみに雲が一才晴天時に、テスターで実際の電流値を計測しました。晴天で発電量が200Wを超えている状態でも、実際に流れているのは11.5A程度でした。

今後条件が良くなると15Aだと少し足りない気がしていたので、20Aでちょうどよかったと思います。ヒューズの選定に関しては、こうしたテスターがあった方がやっぱり良いなと感じてました。

MC端子用工具セット

MC4圧着工具

ソーラーケーブルを配線する上で必要不可欠なのが、MC端子用の圧着工具セットです。市販の延長ケーブルは少し長めに販売されていますし、片側のMC4端子の加工がされていないことがほとんどです。

今回私はお借りすることが出来ましたが、端子を作るには必ず必要になる工具です。

ソーラーケーブル圧着

初心者には難しそうなイメージがあるかも知れませんが、端子加工はとても簡単です。ケーブルの皮膜を剥いて、圧着プライヤーで挟み込むだけです。

MC4スパナレンチ

それとMC4端子は噛み合わせが悪いことがよくあって、無理ありこじ開けようとすると破損する恐れがあります。工具セットがない場合でも、最低でもMC4レンチだけでも用意した方が良いです。

足場台(脚立)

足場台とソーラーパネル

それとハイエースの屋根へ取り付けするにあたって、脚立は絶対に必要です。持ち上げながら移動する時にすごく便利だったので、できれば写真のような足場台の方がいいと思います。

まとめ

ハイエースソーラーパネルDIY

ハイエースへソーラーパネルを取り付けたことにより、今後のアウトドアやバンライフが大きく変わりそうな予感がします。災害による停電が発生しても、この車があれば簡易的な避難所としても機能しそうです。

細部までこだわった専用設計、専用金具のおかげでとてもスマートに仕上がりました。高さも2.1m以下と日常使いにも支障が出にくい、ロースタイルを実現することが出来ました。

一昔前と比べるとソーラパネルは性能が飛躍的に進化して、安価に導入する事が出来ます。今回はプロによる専用設計による取り付けを紹介しましたが、汎用的な金具や部材だけでも十分取り付けは可能です。

もし興味のある方はぜひ参考にしていただき、ソーラーパネルを取り入れてみて下さい!

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