バンライフをいかに快適に出来るかは、どれだけ車内に荷物を積載できるかが、重要なポイントの一つです。特に長期に渡る旅だと生活に関わるすべてのものを、限られた空間に全て収めないといけません。
車種によって室内空間の広さは異なりますが、家と比べると車内が狭いのは言うまでもありません。就寝スペースを確保しつつ荷物を収めるには、うまくデッドスペースを活用したいです。
今回はハイエースの荷室にサイドバーと天井収納を自作しました。車内への穴空けなど加工は一切なく、専門的な知識も不要なので、どなたでもDIYで簡単取り付けが可能です。
さまざまな箇所にコネクタを追加で拡張できるG-Funアルミフレームは、車中泊との相性は抜群です。今回の製作に使用したパーツや工具類、取り付け手順を詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
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完成したサイドバー&天井収納

まずはじめに完成品を紹介します。
収納高さは最大約10cm

天井収納スペースの最大の高さは、約10cmほどです。積載スペースを拡張する目的であれば物足りないかも知れませんが、車中泊ベッドと併用を考えているので、ひとまずはちょうど良い高さと感じています。
様々なものを取り付けできる

天井収納の定番でもある、ワイヤーネットを張り巡らせています。これによりフック形状のものはなんでも吊り下げられるので、小型のランタンなどと相性が良いです。
ひとまずテストの意味合いも兼ねて、繰り返し使える結束バンドで固定しています。天井収納を支える引っ掛けフックもスライド出来るので、柔軟に取り付け位置を変えることが出来ます。

サイドバー部分も色々なものを取り付けできます。棒状なのでハンガーで衣類をかけたり、挟み込むタイプの扇風機などを固定するのに活用できそうです。
このように単純に荷物を上に乗せるだけでなく、サイドバーやネット部分に色々なものを取り付け出来ます。
DIYに必要な材料と製作費用
今回の製作で必要になった材料と、製作費用について解説します。
アルミフレーム

まずベースとなるサイドバーには、G-Fun(ジーファン)というアルミフレームを採用しています。アルミ素材で軽量かつ剛性が高く、DIY素材としても人気が高いです。
四方向の突起部分に専用コネクタを締結することで、様々な形状に組み上げることが出来ます。六角レンチで簡単に分解ができるので、やり直しも出来て初心者にもおすすめです。
シルバーとブラックの二色展開ですが、目につく箇所なのでブラックフレームにしました。黒アルマイト加工は高級感があるんですけど、少しだけ価格が高いです。費用を抑えたい人はシルバーでもいいかも知れません。
G-Funオンラインストアは会員登録をすれば、任意の長さにカットして出荷してくれます。車内寸法は事前に測っていて、必要長さはおおよそ検討がついていたので、私は切断サービスを利用しました。
・2,200mm×2本
・1,145mm×2本
アルミフレームの長さは上記の通りです。長手方向は後々拡張できる範囲を広く取りたかったので長めにしてます。荷室の天井部分だけで良いなら1,700〜1,800mmほどで良いと思います。
横方向は後ほど紹介するフックやコネクタを考慮して、1,145mmに設定しました。
ちなみに丸ノコやグラインダーのような切断工具を持っている人なら、長めを購入して自分で好きな長さにカットするのもおすすめです。実寸を図りながらmm単位で調整出来ますしね。
クリップナット

ハイエースにサイドバー取り付けする際に、このクリップナットがかなり重要なパーツになります。

クリップ形状で挟み込むようになっていて、内張りを固定している台座に差し込むだけでボルト穴を追加出来ます。

Amazonだと5個単位でしか販売されていないのが微妙ですが、ホームセンターを探し回るのも面倒だったので、二つ注文しました。
コネクタ&ボルト類

アルミフレームの締結に必要なコネクタ、台座固定に必要なボルト類です。
GFSFコネクタN-S
内張りの裏側にクリップナットを仕込んだ後、M6ボルトで固定すればアルミフレームを固定する為の台座になります。
ダブルコネクタP15 B
アルミフレーム同士を連結するパーツです。片側をGFSFコネクタN-Sにすることで、アルミフレームを好きな場所で固定する事が出来ます。
マルチコネクタインナー B
アルミフレーム1,145mmの先端に、引っ掛けフックを取り付ける為に必要なパーツです。ボルトを締め付ける事により、フレームを挟み込みつつ、反対側は広がる構造になっています。
引っ掛けフック
サイドバーに引っ掛けて、付属のボルト締め込む事で固定するパーツです。
インナーキャップ B
アルミフレームも末端保護の為に使用するパーツです。
六角穴付ボルト M6x20mm

クリップナットを仕込んだ後に、GFSFコネクタN-Sを固定する為のM6ボルト。長さは20mmがちょうどよくて、それ以上長くなると、裏側の鉄板に食い込む可能性があるので注意が必要です。
材料費一覧
パーツ | 必要個数 | 単価 | 総額 |
GFunフレームN B 2,200mm | 2本 | 1,606円 | 3,212円 |
GFunフレームN B 1,145mm | 2本 | 835円 | 1,670円 |
クリップナット(5個) | 2パック | 1,000円 | 2,000円 |
G-Fun GFSFコネクタN-S | 6個 | 113円 | 678円 |
G-Fun ダブルコネクタP15 B | 6個 | 316円 | 1,896円 |
G-Fun マルチコネクタインナー B | 4個 | 371円 | 1,484円 |
G-Fun 引っ掛けフック | 4個 | 251円 | 1,004円 |
G-Fun インナーキャップ B | 4個 | 136円 | 544円 |
六角穴付ボルト M6x20mm | 1パック | 970円 | 970円 |
13,458円 |
用意しておきたい工具類
六角ボルトセット
ボルトの固定やコネクタの締結に必要な工具です。今後のメンテナンスでも使えるので、持っていない方は1セット車載しておくといいと思います。
内張剥がし
ハイエースの内張りを剥がすのに必須の工具です。先端が薄い形状のものであればなんでもいいですが、テコの原理で力を入れやすい、長さのあるものが使いやすいと思います。
ラチェットレンチ

シートベルトを固定している箇所を外すのに、14mmのレンチが必要です。単体でもいいんですけどかなり長いボルトが入ってるので、ラチェットタイプだと楽でいいです。
これも何かと使い勝手がいい工具なので、ラチェットレンチセットを1セット車載しておくのをお勧めします。
プラスドライバー
内装の左右一箇所ずつネジ固定されている部分を外すのに使います。ラチェットレンチセットなどに含まれる場合には不要です。
ゴムハンマー

個人的に持ってて良かったと思ったのが、このゴムハンマーです。叩いて引っ掛けフックの幅を広げたり、インナーキャップを差し込むのに便利でした。
サイドバーの取り付け手順
まずはサイドバー取り付け手順を解説します。
内張りを剥がしていく

エーモン 内張りはがしを使って、内張りを固定しているピンを外していきます。サイドバーを取り付ける両サイド6箇所は、後ほどクリップナットが入る場所になります。

それ以外にも天井部分も一部外しておくと、後ほど内張りの裏側に手を伸ばす時にクリアランスを確保しやすくなります。

プラスドライバーを使って、両側一本ずつネジを外します。

シートベルト固定部分のボルトを、ラチェットレンチで緩めて外します。使用するビットは14mmです。

シートベルトとネジを外して、上部に指をかけて引っ張ると外れます。裏側は二箇所、白い樹脂製のパーツで固定されているので、衝撃で吹き飛んでいかないように気をつけましょう。
クリップナットを差し込む

内張りをめくるとこんな感じで、内張りを固定していた台座が見えてきます。

台座にクリップナットを挟み込みます。少し指で押しつぶすと、隙間がほどよく狭まって入りやすいです。根本をラジオペンチなどでさらに潰すと、固定しやすくなると思います。

表側から見た時の台座の穴と、ボルト穴の位置を合わせておきます。挟み込む力が緩いと内張りを戻した後に、穴位置がずれて面倒なことになるので注意します。

サイドバーの長さが2,200mmとかなり長めなので、干渉しそうな車内の取手はここで外しておきます。
GFSFコネクタで台座作成

GFSFコネクタN-Sを固定していきます。これにより車内にアルミフレームを固定する為の新たな台座を作れます。
アルミフレームを固定

出来た台座にアルミフレームと、ダブルコネクタP15 Bを同時に締め込んで挟み込みます。

両サイドの6箇所固定すると、ベースとなるサイドバーの取り付けが完了です。

ちなみにインナーキャップ Bは、このタイミングで取り付けしました。手で入れれると思い込んでいたので、サイドバー取り付け後にハンマーで叩くのはかなりやりづらかったです。
あらかじめフレームに取り付けておいた方が良いと思います。

心配だったハンドルとはギリギリ干渉せずに済んだので、この時点で戻しておきました。
天井収納の取り付け手順
続いて、天井収納の取り付け手順を解説します。
引っ掛けフック+コネクタ接続

GFunフレームN B 1,145mmの両端に、マルチコネクタインナー Bと引っ掛けフックと組み合わせて固定します。締め込んでいくとフックは挟み込み、反対側がフレームの内側で広がっていきます。
ハンマーでフックを少し広げる

ここが結構重要なポイントなのですが、フックはそのままだとかなり入りづらいです。元々、アルミフレームの平坦な部分とぴったりの設計なので、斜めに取り付けられたサイドバーとはうまく噛み合いません。
ハンマーで少し叩いて広げておくとちょうど良いです。ただ注意したいのが、広げすぎると後々固定する時に締め付けボルトの長さが足りなくなるので、ほんの少しだけでいいです。
アルミフレームを横方向へ渡す

後はサイドバーにフックをかけて、ボルトを締め込めばベースは完成です。バーの間隔を広めにとっておけば、釣竿やスノーボードなどのような長物をこのバーに乗せておくことも可能ですね。
ワイヤーネットを結束バンドで固定

ひとまずワイヤーネットと繰り返し使える結束バンドを使って、フラットな小物を乗せるスペースを作ります。どれも100均一で揃う材料なので、おおまかな寸法測っておいてカバーできる面積分用意します。

各ワイヤーネットの四隅をしっかりと固定し、天井収納は完成です。さすがにあまり強度はないので軽い物限定ですが、気軽に上に物を置いておけるスペースはかなり使い勝手が良いです。
中央部分に支えのフレームを追加すれば、結構重い物も対応出来そうです。今後積載するものと相談しながら、適宜追加のフレームやコネクタを考えたいと思います。
まとめ

ハイエースにサイドバーと天井収納を、G-Funで自作してみました。アルミフレームは軽量で強度にも優れているので、車内のDIYには最適な素材です。
カットサービスなどを活用すれば、本格的な電動工具も不要なので誰も簡単に作れます。取り付け位置や幅も自由に調整が出来て、後からコネクタやフレームを追加したり拡張性も抜群です。
クリップナットを活用すれば、イレクターパイプなどでも代用は可能です。使用したパーツ類や工具など細かくまとめておいたので、興味がある方は是非挑戦してみてください!
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